PROCESS
鎌田建築設計室が行う業務内容を掘り下げてご説明いたします。
建物の概要、用途、予算等の計画内容を伺います。
「何から考えればよいかわからない???」
という方が多いと思いますので、
「何から考えるべきかを一緒に考えましょう!」
建築の動機や状況など千差万別ですので、決まった手順はありません。
・どんなデザインにしたいのか?
・どのくらいの広さが必要なのか?
・予算はいくらなのか?
・自己資金なのか?融資を受けるのか?
どんな建物を求めているのか、会話の中から探らせて頂きます。
同時に敷地を見させて頂きます。
敷地が決まっていない場合は、敷地探し等を一緒にお手伝い致します。
周辺環境、広さ、接道条件、敷地にかかる法規などチェックします。
ヒアリングと敷地調査より、計画案01を作成します。
「配置図・平面図・パース」の3点を作成し、主に3DCGにて建物のイメージをお伝えします。
計画案01の段階で御満足頂ける案が出来る事は非常に稀です。
設計は変更を繰り返して練り上げていくものです。
計画案01をタタキ台として、ここから建築主の要望がより明確に浮き上り、理想像がイメージできるようになります。
初回計画案のプレゼンで○か×かではなく、 イメージの方向性や設計士の資質、意見の伝わり方の相性などを見て頂いて、「信頼して依頼できるか」をご判断ください。
設計依頼を決めて頂けましたら、【設計監理契約】を締結させていただき、本格的な業務を開始します。
設計監理契約は、『建築主と設計事務所』間にて締結する契約で、『依頼される建物の設計業務+設計後の工事監理業務』の委託契約となります。
設計監理契約では
・重要事項の説明(建築士法 第24条の7に規定の説明義務事項)
・設計監理業務内容の説明
・設計費の取り決め(支払時期、契約の解除に関する取決め)
・著作権、守秘義務、その他
上記内容の契約を行います。
設計監理費の金額も、この時点で仮決定とした金額を算出します。
建築主の要望に応じて、柔軟に対応した契約にしたいと思っております。
契約締結後より、本格的な設計の開始となります。
初回のプレゼン内容で満足して頂けていれば、そのプランを軸としながら進展させます。
建築主自身がプランに満足でき設計依頼を決めて頂けましたら、【設計監理契約】を締結させていただき、本格的な業務を開始します。
設計監理契約は、『建築主と設計事務所』間にて締結する契約で、『依頼される建物の設計業務+設計後の工事監理業務』の委託契約となります。ていなければ、納得して頂けるまでプランを検討します。建築主の要望をより明確的にし、夢と希望を描きながらも、同時に現実的な費用で実現可能なプラン組みを開始します。
3DCGを主にしながら、要望を建築主と一緒に具現化します。
実施設計とは設計図書となる図面の作成作業です。具体的に種類分けすると下記となります。
① 建築図 | ② 構造図 | ③ 電気設備図 | ④ 衛生設備図 |
概要書・案内図・付近見取図 | 基礎断面リスト図 | 電気設備工事仕様書 | 衛生設備工事仕様書 |
配置図 | 基礎伏図 | 電気設備配置図 | 衛生設備配置図 |
面積表 | 床伏図 | 配電盤結線図・照明機器リスト | 衛生機器リスト |
仕上表 | 梁伏図 | 電灯設備図 | 機械設備機器リスト |
平面図 | 小屋伏図 | コンセント設備図 | 給排水設備図 |
立面図 | 壁量計算図 | 弱電設備図 | 空調換気設備図 |
矩計図、部分詳細図 | 金物図 | その他 | 冷暖房設備図 |
展開図 | その他 | ||
天井伏図 | |||
建具表 | |||
キッチン図、家具図 | |||
外構図 |
建築主との打合せ内容は全て図面内へ記載されていきます。現場で施工図として使える程度の詳細な図面を作成します。
実施設計完了後、施行会社の選定に入ります。
◇ 建築主指定の施行会社がある場合
施行会社は建築主の指定業者があれば、その建設会社へ設計図書を渡して見積書を作成して頂きます。(但し、施工可能な建設会社かどうかの判別が必要ですので、その点はチェックします。)
◇ 建築主指定の施工会社がない場合
①相見積の方法
指定の会社がない場合は、建設会社を数社提案して相見積りを行います。
【相見積り】とは、実施設計にて作成された設計図書を、同時に数社の建設会社へ渡し見積書を作成していただきます。
見積り期間を2~3週間ほど設けて、見積書は指定日時に提出して頂きます。
提出された見積書は、設計者が計上金額等のチェックを行い、建築主へ施工会社選定のアドバイスを行います。
見積書の金額と施工実績を考慮しながら、建築主が施行会社を最終決定します。
相見積りで提出される見積書は、50~60ページの書類となり、使用される全材料の数量・単価が記載されます。
図面と同様に、見積書も後に【契約書】となります。
金額が予算内に納まらなかった場合は、設計内容の仕様変更等を行い、金額調整を行います。
見積書にて、建設会社と建設費用が決定したら、【工事請負契約】を行います。
この契約は『建築主と施工会社』の間で締結する契約となります。
(設計前に締結した設計監理契約は『建築主と設計事務所』間の契約です。)
工事請負契約では
・工事金額の決定(支払い時期と回数)
・瑕疵担保履行法における瑕疵担保保険の説明
・その他
上記内容の契約を行います。
契約書の約款は「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」を用います。
公益法人により作成された約款で、建築主と施工会社の双方に平等な契約内容となっています。
「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」については、下記ホームページにてご確認ください。
http://www.gcccc.jp/
工事請負契約には私も同席し、建築主と施工会社の橋渡し役を行いながら、契約内容のチェックを行います。
設計者としての仕事はこの段階で終了となり、これ以降は監理者として工事へ関わっていきます。
工事が着工されてからは、【監理者】として下記作業を行います。
・設計図通りの施工が進んでいるかチェック
・図面だけでは伝わらない内容の伝達
・建築主の代理となって、工事現場との打合せや指示
・建築主への報告
・その他(トラブル処理等)
監理者は建築主の代理として工事現場へ関わる立場にあります。詳しくは 《 設計監理とは 》 をご覧下さい。
当設計事務所の監理方法は、独自の方法を用いて行っています。
① 監理記録の発行
監理業務内容を日誌的に記載し、建築主と施工業者へ同時発行して行います。
監理記録により、建築主にも工事の進行状況や変更内容等を全て把握できるように配慮したシステムです。
監理記録は不定期発行ですが、概ね週に1回程度の発行でご報告いたします。
② 現場写真共有システム
工事現場で撮影した写真を定期的に建築主へ報告します。
建築主は、進行状況や現場の様子をスマホで確認頂けます。
監理記録と合わせてご覧頂ければ、建築主にも工事の進展状況や打合せ内容を把握できるようなシステムとしています。
建築主が遠方のお住まいでも、現場の状況を把握して頂けます。
ご覧頂ける写真は一部の抜粋となりますが、工事完成時には1000枚以上に及ぶ全監理記録写真を提出いたします。
工事が無事に完了するまで監理者として、建築主と現場の橋渡しを行います。
工事完了時には、施工会社より建物の引渡しとなります。この時点より建物は建築主の所有物となります。
引渡しの際には、建設会社からの多くの書類と共に、当設計事務所からは
・竣工図(工事中に生じた変更を訂正した図面)
・監理記録(全監理記録、施工写真)
・建築確認申請書等の公的資料
を建築主へお渡しします。
建物は家電や車のような工場製品ではなく、現場作成の一品モノですので、生活を始めてからの調整作業が生じやすいです。
竣工図は、建物のメンテナンス、将来の増改築等の際に必要となります。
引渡し後も建築主とは長いお付き合いで、施工会社と共に建物の面倒を見ていきます。
私の設計する建物は、全て一生のお付き合いのつもりで設計しています。
正直、建物の引渡しは「仕事の完了の喜びの時」であると共に「とても淋しい時」でもあります。
精魂込めて建てた建物へ、監理者の間は自由に出入りできますが、引き渡した後は建築主の所有物となって自由に出入りは出来なくなります。
子離れできない親の気持ちというのでしょうか?
そのぐらい仕事の枠を超えた感情を注いでいます。
時々、近くを通りかかった際には、遠目に灯りのついた建物を見てニヤリとしたりします。