大きな栗の木の下の家

大きな栗の木の下の家

【 第11回 長野県建築文化賞 奨励賞  / 第12回 佐久地域建築文化賞 特別賞】

所在地:長野県軽井沢町 / 用途:別荘 / 家族構成/40代家族 / 延床面積:111.02㎡(33.58坪) / 竣工:2011.12

敷地は軽井沢の別荘地に位置し、約30 度の急傾斜地で、周辺は栗の樹が茂る一面の緑に囲まれた場所にある。「傾斜地の悪条件をプラスへ変換し、豊かな自然を室内に取り込みたい」という建築主からの要望に対して『緑の海へ潜る家』そんなイメージから設計を開始しました。
外壁は全面板張りとし、鉄骨部は軽井沢町の景観塗装色として、自然へ溶けこむ色彩に配慮しました。また道路側は閉鎖的としてプライバシーの確保を優先し、渓谷側へは大きく開口して空間の方向性を強調しています。断面形状は「30 度の傾斜地盤」「10m 以下の高さ制限」「階数制限」、そして「室内空間の構成」の4点を同時に解決する形態を模索し『スキップフロア』により構成しました。

駐車場からアプローチを下り、建物へ入ると2階に位置します。2階には水周り・キッチン・食堂を配置して、建物下部から配管類のメンテナンスを考慮しています。2階から半階上がると寝室用とした畳室となり、2階より半階下がると1階のリビングと外部デッキがつながり、開放的な緑の海が目前に広がります。室内は吹抜け中心の連続空間で、スキップフロア独特の高低差がより空間の一体感をもたらしています。屋外設備機器は、景観に配慮して隠蔽しつつ、湿気と雨水からも保護する為、2階の床下空間に「設備機器置場と薪置場」の浮かせた床を設けました。
木漏れ日が降り注ぎ、樹々のざわめきと鳥のさえずりの響く中、刻一刻と進む四季の移ろいを感じる場所。森の海の中で自然と共存できる建築です。