美容室と光庭の家

美容室と光庭の家

【 第12回佐久地域建築文化賞 優秀賞 】

所在地:長野県小諸市 / 用途:美容室併用住宅 / 家族構成/30代家族 / 延床面積:128.87㎡(38.98坪) / 竣工:2012.11

北に浅間山を代表とする山麓の絶景が望め、周辺は一面の田園に囲まれた敷地。
建築主は30代の夫婦で奥様が美容師。住宅建築と同時に奥様が一人で美容室を開業する為に、最小規模の美容室を組込んだ『美容室併用住宅』の要望を頂き、平均的な住宅建設費の額で「美容室+住宅」を組込む条件下で設計した美容室併用住宅です。

主婦業と美容師業を自宅で兼務する上での「連続と分離」を考慮しつつ、限られた小さな建築内に「機能の区分け」と「明るく開放的な空間構成」が主題となりました。北側接道の条件より、来客駐車場と美容室部は北側、住宅部は南側へゾーニング。建築主より北側配置の美容室へ「明るく開放的な室空間」の要望があり、それに対する解決策として『ライトコート』を設けています。これが住宅部と美容室部の機能分化と同時に、空間のフレキシビリティ(柔軟性・順応性)への発展を検討した結果『コ』の字型プランとなりました。ライトコートは美容室の明るさと開放性をもたらす事を主としつつ、住宅側リビングからも連続しています。
営業中は美容室の延長空間として、休業中には住宅側リビングの延長空間として、ロールカーテンの操作で両空間に対してフレキシブルに属性が変化します。
9坪の美容室は極狭面積ではありますが、ライトコートの空間延長効果と勾配天井+欄間窓にて南側上空への空間も拡がり、明るく開放的な店舗に仕上がっています。鏡越しに映るライトコートのヒメシャラは、春夏秋冬の四季の移ろいを演出し、美容室のひと時を和ませるお手伝い。美容室の来客不在時には、そこは青空天井のリビングとなり家族の憩いの場へと機能を変えます。
フレキシブルな外部空間により「住宅部29坪+美容室9坪」で各々が極狭面積ではあるが、この面積数値を大きく超越した体感空間を実現出来た、のどかな田園に建つ隠れ家的な美容室併用住宅です。